【研究発表】中年肥満男性における血糖値スパイク(健診ではわからない隠れ高血糖)の頻度
令和3年5月24日、当院 内分泌・糖尿病内科 科部長 岸本一郎が研究論文を発表しました。
1 研究結果の概要
糖尿病のない方でも通常の健康診断や人間ドックではとらえきれない高血糖(隠れ血糖値スパイク)が日常的に認められました。
2 研究内容の概略
糖尿病発症の高危険群である肥満を伴った中年男性を対象にブドウ糖負荷試験と持続血糖モニタリングを行い、データが得られた36名の非糖尿病者の日常における高血糖の頻度を調べたところ、糖尿病がなくても中年肥満男性は食後高血糖(血糖値スパイク)を頻繁にきたしていることが明らかになりました。通常の健康診断で受ける血糖検査のみならず人間ドックなどで受けられる精密検査でさえ、血糖スパイクをとらえきれないことが示唆され、現状の検査方法ではとらえきれていない血糖値スパイク(隠れスパイク)の発見には新たな診断方法が必要であると考えられます。
3 図
隠れ血糖値スパイクの1例。赤線は1日の血糖値の推移(縦軸は血糖値(mg/dL)を示しています。通常は140 mg/dLを超えない血糖値が、朝食抜きかつ遅い昼食後には200 mg/dLを超えて上昇しています。
4 備考
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED:課題番号JP16ek0210034)と豊岡病院臨床研究助成の支援をうけています。結果は、2021 年5 月25 日付 J DiabetesSci Technol 誌(1)に掲載されています。
(1) J Diabetes Sci Technol. 2021 May 24; Online ahead of print. Ichiro Kishimoto, AkioOhashi: Hyperglycemia During Continuous Glucose Monitoring in Obese/Overweight Male Individuals Without Diabetes.
5 詳しい研究内容