お知らせ

【診療科紹介】 高齢化地域において、 脳梗塞を予防するための取り組み(脳神経内科)

2022年6月3日

 豊岡市を含む北近畿地方は高齢化が進み、脳卒中患者数が年々増加しています。豊岡病院50km圏内には24時間365日、脳卒中患者さんに対して超急性期医療を提供できる病院は他に無く、脳卒中に関して大きな責務のある当院ですが、増加する脳卒中患者数への取り組みは当地域において避けられない課題の1つです。

 今回豊岡病院脳神経内科 横手明義医師が中心となっている取り組みを紹介します。(この取り組みは兵庫県医師会勤務医医学研究助成によって行われ、予定された最高額以上の助成を得た研究です)

 これには2つの中心となる取り組みがありました。1つは『心房細動を可能な限り発見すること』、もう1つは『心房細動に対して、適切に薬を処方する』ことでした。これらを実現するキーワードは “病診連携” にありました。

 心房細動を発見するために、不規則脈波を検知できる血圧計を導入し医師会を通じて、複数の医院・クリニックで使用していただきました。さらに医院・クリニックの先生方に対しては、心房細動を発見できた際に、血液をさらさらにする薬を適切に使用できるように、講演会を通して病診連携を行いました。


 不規則脈波検知機能が付いた全自動血圧計(診之助Slim)

 これらの取り組みの結果、過去もっとも多かった2017年度と比較して、2018年、2019年ともに、脳卒中の1つである心房細動を有する脳梗塞患者数を約25%減少させることに成功しています。


注)心房細動を有する脳梗塞、有さない脳梗塞ともに2017年度までは年々増加傾向にありましたが、この取り組みが行われた2018年度、2019年度には心房細動を有する脳梗塞は150名弱から100名程度まで減少しています。

 この取り組みは2020年の日本医師会雑誌にも掲載されました。もしかしたら当地以外の高齢化が進む地域での脳卒中予防に役立っているかもしれません。豊岡病院としては、このような取り組みを可能な限りサポートしていきたいと考えています。

 本取り組みの研究発表内容について、脳神経内科 横手医師に解説していただきました。

 内容は以下のとおりです。 
  脳梗塞を予防するための取り組みについて

公立豊岡病院組合立 豊岡病院
 脳神経内科 医長 横手  明義 先生より

                 

 

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